砂防(さぼう)とは
砂防とは、土砂(どしゃ)災害から私たちの命や暮らしを守るためにおこなわれるさまざまな工事や仕事のことです。例えば、流れの急な川では、大雨などで水がふえると、水の力で川底や川岸の土砂が大量にけずられ、それが下流に運ばれて土砂災害を引き起こすおそれがあります。そのため、けずられた土砂が下流に運ばれるのをふせぐために砂防堰堤(さぼうえんてい)などの施設をつくったりします。また、木のない山は雨などによって斜面(しゃめん)がくずれる危険(きけん)が大きいので、植樹(しょくじゅ)をして地表の土砂がくずれるのをおさえたりすることもあります。
このように、土砂災害を起こさないための工事をおこなうほか、土砂災害が起きてしまったときには、その復旧(ふっきゅう)工事(もとにもどす工事)もおこないます。また、土砂災害が起こりやすい場所がないか点検したり、土砂災害が発生していないか監視(かんし)したりする仕事もあります。さらに、土砂災害が起きるしくみについて研究したり、土砂災害についての正しい知識や、いざというときの避難(ひなん)のしかたなどを人々に伝えたりするのも、砂防の大切な仕事です。
砂防の仕事は、国や都道府県がおこなっていますが、国の場合は国土交通省砂防部、都道府県の場合は砂防課などとよばれるところが担当しています。砂防の仕事は「砂防法」という法律にもとづいておこなわれます。
砂防法(国土交通省サイト)http://www.mlit.go.jp/river/hourei_tsutatsu/sabo/gaiyou/houritu/sabouhou.html
SABOは世界の共通語?
外国で砂防のことをなんというか知っていますか?SABOといいます。
日本語がそのまま世界の共通語になっているのです。日本の砂防技術がすぐれていること、日本が海外のいろいろな国で砂防の技術指導をしていること、砂防にあたる適当なことばが外国語にはないこと、などが理由で、1950年ころから、世界の国々でもSABOということばが使われるようになりました。