土石流
土石流とは、山や谷の土砂(どしゃ=土や砂、石)が大雨などでくずれ、水とまじってどろどろになり、ものすごい勢いでふもとに向かって流れてく現象(げんしょう)です。地方によって、「山津波(やまつなみ)」「てっぽう水」「蛇抜け(じゃぬけ)」などとよぶところもあります。
土石流は大雨が原因で起こることが多いのですが、雪国では雪どけ水が原因で起こることもあります。また、地震や地すべりでくずれた土砂がダムのように川をふさぎ、そのダムが急にくずれることで起きる土石流もあります(くわしくは河道閉塞<かどうへいそく>を見てください)。
日本では梅雨(つゆ)や台風の時期に、毎年のようにどこかで土石流が発生し、家や田畑、道路がおし流されたり、人がなくなったりする大きな被害が出ています。
土石流が発生しやすい川とは?
土石流が起きやすいのは、山から流れてくるこうばい(かたむき)の急な谷川で、川岸や川の上流にくずれやすい土砂がたくさんあるところです。ふだんは水が流れていない谷でも、大雨が降ると急に流れのはげしい川になるところもあります。また、谷の出口に大きな石がごろごろしているところは、前に何度か土石流が起こっていることが考えられますから、注意が必要です。
土石流の流れかた
土石流は、大きな岩を先頭に、町の中を走る自動車と同じくらいのスピード(時速40~50キロメートル)で、谷をけずりながら流れ下ります。通り道にある大きな岩や大木をまきこんで大きくなり、谷の出口に来るとおうぎ形に広がります。やがて、こうばいがゆるやかになると止まりますが、土石流が止まったところには、たくさんの岩や土砂が積もります。
土石流からにげるには
土石流はスピードが速いため、流れる方向(下向き)ににげたのでは、追いつかれてしまいます。すぐに川から離れて、高いところににげるようにしましょう。