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土砂災害防災のフィールド
ネットワークで繋がろう、広げよう

~言葉はわかりやすく、つくる輪は親しみやすく~

一般の方々に、土砂災害とその対策について理解していただくこと、またその理解を通じて防災意識を醸成・維持していただくことは、簡単なことではありません。私たちが砂防の広報に携わって30年以上、これまでに培った経験と知識を多面的に活かし、様々な活動の支援や資機材の提供を行います。

砂防フィールド
コミュニティ

スタッフの取材記録などを交えつつ、土砂災害を克服してきた各地の活動紹介や情報提供を行っております。
この場を通じて新しい発見や様々な交流が生まれることができれば幸いです。

2018年5月 記事一覧

【長野県松本市】牛伏川階段工完成100周年記念行事の開催案内

牛伏川階段工完成100周年記念行事の開催案内

大分県(広瀬知事)に砂防副読本2000冊を寄贈しました。

平成29年九州北部豪雨災害からもうすぐ一年を迎えます。被災地では今もなお懸命な復旧工事が続いています。
4月11日の大分県中津市耶馬渓町でみられた土砂崩落のように、予期せぬ土砂災害も発生しています。
昨年の豪雨で被災を免れたところでも、地盤が緩んでいることがあります。今後も、少しの降雨や、あるいは地震でも山腹は崩壊しやすい状態です。
土砂災害防止広報センターが発行する砂防副読本を、土砂災害の防災に関する知識の向上と予防のため、県民の皆様に配布していただき役立てていただきたいと思います。

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左から、阿部洋祐 大分県土木建築部長、広瀬勝貞 大分県知事、理事長 山本賢一郎、監事 花井幸二

 

大分合同新聞に掲載されました。
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サバイバルルーム考案の必要性をつぶやく

4月に大分県中津市耶馬渓町で発生した土砂崩落をみて感じたことをつぶやいてみます。

真夜中に突然頭上から山が崩れ落ち、家が丸ごと押しつぶされた悲劇を我が身に置き換えたとき、逃げるすべがなかったことを容易に想像がつきました。
土砂災害防止広報センターでは、非常時の最終手段は垂直避難(山の反対側の2階以上の部屋に逃げる)を謳っています。このことは国や県も同じように言ってます。耶馬渓の災害ではこれが通用しない事態でした。

報道記事を見ると数日前から前兆現象もあったようですが、住民の方々はその前兆、異変に気づくものの早期避難に至っていなかったことも残念です。
特別警戒区域や警戒区域にお住いの方々は少なくとも、土砂災害に限らず山や川の異変(前兆現象)には強く反応してほしいと願います。

自負するようですが、土砂災害防止広報センターが発行する砂防副読本には、前兆現象や避難の手法もできるだけわかりやすくたくさん書かれています。
砂防副読本をなんとか多くの国民の目に触れるようにしたいと思っています。
国・県・市町村・各種団体も日々防災啓発活動をされていますが、住民の関心を高く維持することは困難なようです。

ニュースで見た災害を我が身に振り替えて想像していただければ、防災意識は向上し、いざとなった時の判断も早くなるはずです。
しかし、今回の耶馬渓のような災害のようにどうにもならないような現象が実際に起こってしまいました。

このような危険個所にお住まいの方はどうすればよいのでしょうか?
住居を移転するのが一番望ましいけれど、先祖代々親しんで長年住んでいる土地を離れることはしたくない。
資金面の問題もあり、簡単に引っ越しできない。
いつ起こるかわからない災害を想っているよりも、生活するための優先順位がある。
などなど課題は多いと思います。

2009年に砂防学会に発表された一つの論文を思い出しました。
「耐土砂災害サバイバルルームの開発(水山高久ら)」です。
以下に転載させていただきます。


この論文にあるように、自宅を耐久性のあるサバイバルルームに改造することが研究されていました。

前述したように住民の諸事情を考えたとき、有事に備えて、避難所となる施設や住居の改装や改築の時にサバイバルルームを増設、補強することは現実的であると感じました。

ただ、やはり資金面を自費で賄うことはとても大変です。

この先の中山間地の過疎・高齢・少子化は進む一方です。
住民はその土地に愛着を持って住んでいます。
地方自治体では、都市部や国内外からの移住者を歓迎して誘致活動も進められています。

地域が継続するためには「ヒト」が住むことが第一です。安心・安全の向上のためサバイバルルームのような開発を、公共事業でも後押ししてもらいたいと考えます。